究極のドラムシミュレーションゲーム?

曖昧な境界線

数多い音楽ゲームの中には、いくつかは楽器を模したゲームです。ドラムシミュレーションゲームはその中にも、過不足のないレーン数を持つ、楽譜の再現度が高い、且つ両手両足を満遍なく使うテクニカルなゲームジャンルです。それにゲーセンにある筐体のパッド構成もほぼ普通の電子ドラムと同じですし、このゲームをやってると「本当にドラムが叩けそうだ!」と錯覚してしまうことがあります。でも本当に生ドラム並みの表現力を求めたいなら、ゲーセンのあれの程度ではまだまだ足りません。力加減、叩く箇所、ハイハットコントロール、シンバルの種類、シンバルミュートなど、どれもドラムという楽器を表現したい時に不可欠な要素です。これらさえ譜面にいれて、そして譜面通りに演奏できれば、それでこそ本当にドラムの演奏ができると言えるではありませんか。しかしそれだと、ゲームとしてはあまりにも複雑すぎて、初心者はおろか、音ゲー経験者すら敬遠する超マニアックなゲームになりそうですね。DTXMania経験者なら練習すればなんとかなりそうですが、ゲームとしてはゲーセンのあれとDTXManiaXGでももう十分に奥深いし面白いと思います。

StrokeStyle<T>

StrokeStyle<T>とは、DTXManiaの製作者であるFROM先生が作った本格的なドラムシミュレーションツールです。略してSST。今は直接にソフト本体をダウンロードできませんが、この本体はなんとハイハットのハーフオープン、ライドのカップ、リムショット、様々なシンバルなどのチップ種別が揃えており、チップの外見もチップ音量の指定によって変わります。これでDTXManiaか本家のXGよりもっと細かい譜面が作れますし、より一層高めた表現力が得られるようになりました。演奏画面はFROMさんが投稿した動画を参照できます:
【SST】 天ノ弱

その独自な譜面フォーマットSSTFは上記のチップ種別のほか、フットペダル、スネアゴースト、シンバルミュートも表現できますが、それらには判定がありません。ツーバス譜面もDTXManiaと同様、1レーンにまとめた仕様です。前の記事にも言及していたように、ゲームではなく楽器に重心を置くトレーニングツールなら、本家の「左足か右足か」より「鳴らす楽器はどれか」のコンセプトを取るのが合理的です。StrokeStyle<T>公表初期にも「本家との互換性は考えてますか」みたいな質問が出ていましたが、方向性が違うため、その答えもNOでした。

実は私がLR2XG+を作っていた時にも、シンバルミュートもロングノーツで表せるんじゃ…と考えたことがありました。上げたDTXManiaXGの動画にも「全レーンに裏チップを追加できますか」のコメントがありました。確かに全レーン裏チップを追加すれば、リムショットとライドカップなども表現できますね。しかしこんなフォーマット拡張作業をするなら、今のSSTFのようにほぼ全方位的に対応せねばなりません。というかそうじゃないとキリがありません。私はドラムに関する知識がそこまで詳しくないし、電子ドラムも持っていないし、プログラミングの腕前もボロボロです。自分にはこんな重荷を背負うことが出来ないと判断し、ゲーム性志向の10レーンDTXManiaXGで満足していました。

DTXmatixx

StrokeStyle<T>が公開されてから6年弱、DSG界隈でおなじみのFROM先生はなんと本家Matixx風な新しいプロジェクトを立ち上がりました。その名も、DTXmatixx。詳しい流れはkaireraさんの2日目の記事「すごいぞ!DTXMatixx」を見ましょう。2017年12月の現時点ではもうインストーラがリリースされていて、まだ人柱募集中の状態ですが、選曲、演奏、設定画面と基本操作の部分はもう出来ています。それにしても、滑らかなアニメーション、チップ分布チャート、演奏プログレスバーなど、とことん本家と似たような仕様ですね。ていうかチップの下にある足やパッドの画像の滑らかさは本家を超えていますが。StrokeStyle<T>はトレーニングツールなら、こっちがゲーム志向の本体と考えるのは問題ないでしょう。

特に注目したいのは、現在のDTXmatixxはすでにDTXとSSTF両方の譜面フォーマットが読み込めるというところです。なんかわくわくしますね!想像が膨らみます。まあ譜面ファイルの拡張子が違っても本質は同じようなものですし、両方共に対応させたくなりますね。DTXXGのレーン数変更機能みたいに、リムショットであろうと音量が何であろうと、全て普通のSDチップにすればいい話です。

しかしここでもう一つの問題が浮上します:せっかく創り上げた多彩な譜面フォーマットだし、オープンハイハットやリムショット等は表示しますか?FROMさんもプロジェクトページにて譜面に関する幾つかのイシューを提出しました。「HHOpenやRDを表示する?しない?」や「LPやSDGhostのエフェクトどうする?いる?」など。この点さえ善処できれば、ゲーム性とリアルさを兼ねた素晴らしい本体が作れる気もしますね。そこで私は統合の可能性について考えました。DTXmatixxがどこまでを目指しているのは憶測できませんが、なんとなく自分の見方を述べていきたいと思います。

統合に必要なもの?

SSTF譜面と本家との主な違いはチップの外見と左足の部分で、SSTF譜面を本家風レイアウトで流したいなら、この2点を工夫する必要があります。その中でも左足に関わるところが少し厄介です。そしてユーザ層の需要を考えると、大体は「本家寄り」「DTXManiaXG寄り」「StrokeStyle<T>寄り」3つの方向に向けたオプションが自由に選べる方が好ましいですね。ここで自分が思った多分必須な設定項目を挙げてみます:

・チップの外見:Normal(本家風)、Advanced(音量と判定無しチップ以外を表示)、Full(完全なSSTF譜面を表示)

Normalは本家と同じ見た目で、1レーンにつき一種のチップ画像しか降ってきません。AdvancedはDTX譜面のHHOかLBD、或いはSSTF譜面にある判定有りのチップだけを表示します。FullならSSTF譜面をチップ音量やシンバルミュート、スネアゴーストまで完全に再現します。Advancedを挙げたのは、私がSSTのサンプル動画を見ていた時、淡いチップが少し見づらかったので、透明度を無くす需要はあるかもしれないと思ったからです。ヒット判定がないシンバルミュートやスネアゴーストもAdvancedモードで非表示にして、プレイ中でも判定のないチップに気が散られません。因みにDTXMania風なオプションがないのはもうSST風があるから、DTXMania風は少し中途半端に見えるからです。これを追加してもいいですが、無くてもチップ画像の差し替えでなんとかなるでしょう。

次はSSTFフォーマットの本家風チップデザインです。StrokeStyle<T>のチップ画像そのまま使うのも可ですが、自分なりに簡略化した、より本家のスタイルに近い(かもしれない)なチップデザインを考えました。下図にて全てのSSTFチップ種別を列挙し、SSTのデフォルトチップ画像と簡略化したものを並べてみました。ペイントクオリティで申し訳ないが、参考までに:

zukai

力強い、目立つ、甲高い声は色がついた丸で表し、そうでない方は中空の丸で表す、的な感じです。

しかしながら、実はStrokeStyle<T>の「ライド、スプラッシュ、チャイナはLCレーンに置くかRCレーンに置くか」は別々に設定できるなんです。この機能を取り入れると、LCレーンに赤いチップと青いチップが降ってくる状況もありえますよね。まあDTXManiaXGのLPレーンにも二色のチップがありますが。そういえば、SSTとDTXmatixxはチップ画像のサイズまでXMLファイルで指定できるらしいです。もし全種類のチップごとに画像と落下するX座標までカスタマイズできたら、チップ外見だのどのレーンにしようだのの問題は全て解決できますね。こうなると自分で10レーン本体に改造するのもいろんな面白いカスタムスキンを作るのも夢じゃありません。

・ハイハットペダルの表示方:OnHiHat、OnLeftPedal、Merged

実はSSTのHHO丸印とHHペダルは「HHレーン」ではなく「HHフットレーン」に所属しています。ただデフォルトではこの2レーンが重なっているだけです。これはもうDTXXGと違う仕様になっていますね。なので、ユーザの需要を満たしたいなら、ここは「OnHiHat」「OnLeftPedal」「Merged」3つのオプションに分けたいところです。詳細は下図の通り:

zukai2

画像にはクラーベの項目がありますが、今はこんなチップがないのです。妄想として見てやってください。

SSTみたいに「鳴らす楽器はどれか」のコンセプトを取るならOnHiHat。もし本家の「左足か右足か」で区別するならOnLeftPedal、つまり左足で操作するHHO丸印はLPレーンに置くべきです。LR2XG+のハイハットコントロールはHHレーンではなく、代わりにLPレーンにロングノーツを置いたのも同じ理屈です。しかし今のところ、皆が一番馴染んだ仕様は多分OnHHでもOnLPでもなく、その2つを混ぜたMerged--即ちDTXXG仕様--フットスプラッシュだけをLPレーンに置いた方じゃないでしょうか。そんなわけで、統合した本体を作るなら、どうやらこの3つのオプションが要るようです。

.打ち分け設定とヒット判定

SSTのチップ種類は全部20種位あります。もし全てのチップに別々のキーを割り当てる機能を搭載したいなら、レーンごとに相応の打ち分け機能も要ります。しかしDTXManiaの打ち分け設定のように作っていくと、オプション項目が繁雑になりかねません。

故に私は思いました:打ち分け設定の代わりに、同じキーを2つ以上のチップに割り当てられるようにしたらいいんじゃないかと。例えば、Zキーを押して左クラッシュとスプラッシュが判定するようにしたいなら、両方にZキーをアサインして、あとはプログラム側で発声位置が同じ場合(同時押し)を処理すればいいのです。

打ち分け機能をチップの外見スタイルと連動する可能性も考えました。外見をNormalにする時にのみ、同じレーンにあるチップを自動的にグループする、みたいな。

そしてヒット判定のことですが、SSTのシンバルミュート、スネアゴーストとフットスプラッシュにはヒット判定がありません。しかし本家譜面をやりたい場合を考えると、フットスプラッシュも判定するようにしたいですね。キーボードかコントローラーを使って遊ぶ人なら、ハイハットペダルをキー割り当てたら問題なく遊べますが、電子ドラムを使う人なら仕様上の関係でハイハットが暴発しかねません。HH連打にLPを混ぜた譜面のプア連発防止の為に、HHレーンのプア判定をオン・オフできるようにしたら解決する…のかな。

・ツーバス譜面仕様:Normal、SingleLane、(LeftStart)

現時点で需要があるドコドコ仕様は、左右に分けたタイプと1レーンにまとめたタイプです。プレイヤーが自由に選べるようにしたいなら、DTXXGのDkdkTypeみたいなオプションを設けばいいのです。NormalモードにてSSTFや旧DTX(LPとLBDがないDTX)を読み込む場合、適したアルゴリズムを経由してBDチップをLBDレーンに振り分けて、本家仕様のツーバス譜面を作ります。逆に言えば、SingleLaneモードにてDTX譜面のLBDを読み込んだら、BDに変換します。んで始動足を変えるLeftStartは良いアルゴリズムが見つかるまで放置かな。

三行でお願いします

統合するに一番速いやり方は、多分全種類のチップ画像(HHオープン丸印とDTXのLBDを含む)と落下するX座標をXMLファイルとかで自由にカスタマイズできるようにすることです。この機能さえあれば、開発側はチップ外見とHHペダル表示方のオプションなんぞ作らなくても、プレイヤーの需要は満たされますね。勿論ゲーム内で幾つかのプリセットを用意できたらもっと便利です。

そして全チップに別々のキーを割り当てられるようにするなら、同じキーでも複数のチップ種別にアサインできるようにして、且つ同時押しの場合をも処理します。

最後にツーバス譜面を1レーンにまとめるか否かを選べるようにすれば、本家のエミュもSSTも、両方として使えるようになるはずです。MIR、RANオプションさえあれば完璧ですね。

三行超えてすみません。

結語

以上は私が考えた統合の要素でした。すごい長文になりましたね(汗)。書きながら書いたものを振り返て、さらに何箇所も書き直したけど、果たしてこんなゲーム構造はいいと言えますか。自分で統合するのは技術と時間的に無理だから、kaireraさんのDTXMania Advent Calendarを介した意見のシェアとしてみていただければ。ゲーム本体の開発に少し役が立つと嬉しいです。もし統合した本体が出来たなら、SSTFの普及にも効果があるかもしれません。

最後まで見てくれてありがとうございました。それでは、メリークリスマス(とっくに過ぎましたが)と、良いお年を。またいつかどこかでお会いしましょう。

※この記事は、DTXMania Advent Calendar 2017 の22日目に登録した記事ですが、完成した日付は12/26です。

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